1. トップページ
  2. 相続・贈与の知識

相続・贈与の知識

相続に関する法律と税金

相続とは

人(自然人)の死亡によって、その人が所有していた財産(負債などマイナス財産を含む)を継承することです。財産の大小に関わらず、すべての人に関係します。

法定相続分とは

民法では、相続人が継承する財産の原則的な割合(下記表)を定めています。これを法定相続分といいます。これに対して、被相続人が遺言で定めた相続分のことを指定相続分といい、法定相続分に優先します。

配偶者がいる場合配偶者がいない場合
配偶者のみ全て配偶者-
第1順位配偶者1/2、子1/2すべて子
第2順位子がいない場合
配偶者2/3、直系尊属1/3
すべて直系尊属
第3順位子も直系尊属もいない場合
配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
すべて兄弟姉妹

相続税について

相続や遺贈によって財産を取得した者に課税される国税です。相続税の課税対象となる財産の範囲(課税価格)は、次の式で求められます。

<課税価格の計算式>

本来の財産 + みなし相続財産 + 相続時精算課税制度で贈与された財産 + 相続開始前3年以内に贈与を受けた財産 - 債務控除 = 課税価格

<相続税の計算方法>

  1. 課税価格から基礎控除額(5000万円+1000万円×法定相続人の数)を差し引いて【課税遺産総額】を求めます。
  2. 課税遺産総額を、いったん法定相続分で分割したものとして、下記【相続税の速算表】を用いて【相続税の総額】を算出します。
  3. 最後に相続税額全体を相続人各人の相続分に按分して【各人の税額】を算出します。

<相続税の速算表>

基礎控除後の課税価格税率控除額
1000万円以下10%-
1000万円超 3000万円以下15%50万円
3000万円超 5000万円以下20%200万円
5000万円超 1億円以下30%700万円
1億円超 3億円以下40%1700万円
3億円超50%4700万円

贈与に関する法律と税金

贈与とは

個人から個人へ、無償で財産を譲り渡す契約であり、贈与者と受贈者との意思表示によって成立します。
ただし、個人から法人・法人から個人への財産の移転は、贈与とは認められず、それぞれ法人税・所得税が課せられます。

贈与税とは

受贈者が一定以上の財産を受け取ると、贈与税が発生します。贈与税の計算方法は、以下の通りです。

<贈与税の計算式>

(課税価格-基礎控除110万円)×税率-控除額=贈与税額

<税率>

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%-
200万円超 300万円以下15%10万円
300万円超 400万円以下20%25万円
400万円超 600万円以下30%65万円
600万円超 1000万円以下40%125万円
1000万円超50%225万円

上記の他に、『配偶者特別控除』、『住宅取得資金贈与の特例』、『相続時精算課税制度』等の制度があり、贈与を上手く活用することにより、相続時の相続税を軽減させることが可能ですが、相続税よりも贈与税の方が税率を高く設定してあるため、制度を良く理解して利用することが必要です。

相続財産の評価

金融資産の評価

預貯金預入残高+(解約時経過利子-源泉徴収税額)
普通預金など経過利子の少ないものは預入額
利付債(上場)課税時期の最終価格+(既経過利子-源泉徴収税額)
利付債(非上場)発行価額+(既経過利子-源泉徴収税額)
割引債(上場)課税時期の最終価格
割引債(非上場)発行価額+既経過償還差益
MMFなど1口あたり基準価額×口数+(未収分配金-解約時の源泉徴収税額)-解約手数料
上記以外1口あたり基準価額×口数-解約時の源泉徴収税額-解約手数料
上場証券投資信託上場株式と同様の評価

上場株式の評価

上場株式は、次のうち最も低い額で評価することになっています。

  1. 課税時期の終値
  2. 課税時期の属する月の毎日の終値の平均値
  3. 課税時期の属する月の前月の毎日の終値の平均値
  4. 課税時期の属する月の前々月の毎日の終値の平均値

取引相場のない株式の評価

株式の取得者、会社規模区分、特定会社区分により評価方法が細かく規定されています。

動産の評価

動産は、課税時期における調達価格(対象となる財産を評価する時点で、同程度のものを買う場合の価格)で評価します。ただし、調達価格が不明な場合は、同種同規格のものの小売価格から、減価償却分を差し引いて評価します。
なお、書画骨董品は、売買実例価額または精通した専門家の意見価格を参考にした評価額となります。

不動産の財産評価

1.宅地の評価(自用地評価)

宅地の評価(自用地評価)は原則として次のように計算します。
評価額 = 正面路線価 × 地積(土地の面積)

2.私道の評価
  • 特定の者のみが通行する私道(行き止まり)→自用地評価×30%
  • 不特定の者が通行する私道(通り抜け)→評価額ゼロ
3.借地権の評価

借地権の評価(借地人の財産)は、路線価図に記載されている借地権割合によります。
借地権の評価額 = 自用地評価額 × 借地権割合

4.貸宅地(底地権)の評価

借地権の設定された貸宅地の権利(土地所有者の権利)を、底地権といいます。
底地権の評価額 = 自用地評価額 - 借地権評価額 =自用地評価額 × (1 - 借地権割合)

5.貸家建付地の評価

土地所有者が自ら建物を建築して、貸家として賃貸する場合、その土地は貸家建付地として評価されます。
貸家建付地評価額 = 自用地評価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

※借地権割合は、全国的に30%とされています。賃貸割合とは、建物の総床面積に対する相続発生時に、実際に賃貸していた部分の床面積の割合をいいます。

6.自用建物の評価

自用建物の評価は、次の計算式により計算します。
自用建物の評価 = 固定資産税評価額 × 1.0

7.貸家の評価

アパートなどの貸家の評価は、次の計算式により計算します。
貸家の評価 = 固定資産税評価額 × (1 - 借家権割合 × 賃貸割合)

8.借家権の評価

アパートを借りている被相続人の権利は、借家権として評価されます。ただし、借家権が権利金などの名目で取引されない地域では、評価は0となります。
借家権評価額 = 固定資産税評価額 × 借家権割合 × 賃貸割合

小規模宅地等の評価減

相続財産のほとんどを自宅や事業に利用している土地の場合、相続税の納税の為に自宅や店舗・工場を売却すると、相続人の生活を脅かすことになります。そこで、小規模宅地等の評価減の特例を認め、最大80%の減額を受けることができます。